設定

Voltaは複数の設定ファイルを使用してJavaScriptツールチェーンを管理します。このリファレンスでは、利用可能な設定オプションとその形式について説明します。

プロジェクト設定

プロジェクト固有の設定は、プロジェクトのpackage.jsonファイルのvoltaキーの下に保存されます。

形式

{
  "volta": {
    "node": "16.14.2",
    "npm": "8.5.0",
    "yarn": "1.22.19",
    "extends": "../shared-volta-config.json"
  }
}

プロパティ

プロパティ	型	説明
node	String	このプロジェクトで使用するNode.jsバージョン
npm	String	このプロジェクトで使用するnpmバージョン
yarn	String	このプロジェクトで使用するYarnバージョン
pnpm	String	このプロジェクトで使用するpnpmバージョン
extends	String	共有Volta設定ファイルへのパス

バージョン形式

volta設定のバージョン文字列は以下の形式を使用できます：

• 正確なバージョン：16.14.2
• メジャーバージョンのみ：16
• メジャーとマイナーバージョン：16.14
• バージョン範囲（npm semver）：^16.14.0
• タグ：latest、lts

共有プロジェクト設定

複数のプロジェクトが拡張できる共有Volta設定を作成できます。これは、プロジェクト間でツールバージョンを標準化したい組織に有用です。

形式

{
  "node": "16.14.2",
  "npm": "8.5.0"
}

形式はpackage.jsonのvoltaセクションと同じですが、JSONファイルのルートレベルにあります。

ユーザー設定

Voltaのユーザー設定は、Voltaホームディレクトリに保存されます：

• Unix：~/.volta/
• Windows：%LOCALAPPDATA%\Volta\

ツールストレージ

インストールされたツールは構造化されたディレクトリに保存されます：

• Node.js：~/.volta/tools/image/node/
• パッケージマネージャー：~/.volta/tools/image/yarn/、~/.volta/tools/image/npm/
• パッケージ：~/.volta/tools/user/packages/

フックディレクトリ

カスタムフックは~/.volta/hooks/に保存されます。詳細については、高度な機能セクションを参照してください。

環境変数

環境変数は、Voltaの動作を設定する別の方法を提供します。完全なリファレンスについては、環境変数ページを参照してください。

設定の優先順位

どのツールバージョンを使用するかを解決する際、Voltaは以下の順序でソースをチェックします：

1. コマンドライン引数（例：volta run --node 14）
2. 最も近いvoltaセクションを含むpackage.jsonのプロジェクト設定
3. ユーザーのデフォルトツールバージョン（volta installで設定）
4. バンドルバージョン（例：Node.jsにバンドルされたnpm）

例

典型的なプロジェクト設定

{
  "name": "my-project",
  "version": "1.0.0",
  "volta": {
    "node": "16.14.2",
    "npm": "8.5.0"
  },
  "dependencies": {
    // ...
  }
}

拡張設定

// shared-config.json
{
  "node": "16.14.2",
  "yarn": "1.22.19"
}

// package.json
{
  "name": "my-project",
  "version": "1.0.0",
  "volta": {
    "extends": "./shared-config.json",
    "npm": "8.5.0"  // 拡張設定のnpmバージョンをオーバーライド
  }
}

ワークスペース設定

ワークスペースベースのプロジェクトでは、ルートpackage.json設定がすべてのワークスペースパッケージに適用されます：

// ルート package.json
{
  "name": "workspace-root",
  "volta": {
    "node": "16.14.2",
    "yarn": "1.22.19"
  },
  "workspaces": [
    "packages/*"
  ]
}

// packages/app/package.json - Node.js 16.14.2とYarn 1.22.19を使用
{
  "name": "app",
  "version": "1.0.0",
  // ここにvoltaセクションは不要
}